2018年1月29日月曜日

新潟・新潟駅~駅直結のお土産屋、ぽんしゅ館は新潟愛に溢れてた~

2017年1月、新潟市でお店を始めた友人家族を訪ねた際に
駅前の面白い場所、という事でぽんしゅ館を教えてもらった。
調べてみると、駅直結ではあるが少し離れてそう。
越後湯沢に出来た時に話題になったそうで、テレビで見たような気もしなくもない。
謳い文句は「越後のお酒ミュージアム」。
利き酒も出来るらしいが、お酒があまり飲めない私はさほどテンションは上がらず…
とはいえせっかく新潟まで来たし、話のネタと一緒に土産の日本酒を買おうと思い、
帰りの新幹線までの待ち時間に立ち寄る事にした。

新幹線の出発まで約1時間ほど。ちょっと立ち寄ったらカフェに移動して時間を潰そう
と思っていたが、足を踏み入れていると大きな見当違い。
そこは新潟県の美味しい物が詰め込まれたレジャー施設だった。

一言で表せば、新潟の美味しい物が沢山揃っているお土産屋さん、なのだが
店内は、お店側の「買ってもらいたい」そのために新潟のいい物を知ってもらいたい
という気持ちに溢れていて、訪れた人が買いたい!と思う仕掛けが随所に施されていた。

まず驚いたのは、試飲・試食の充実ぶりだ。
ぽんしゅ館の一番の売りは越後のすべての酒蔵のお酒が試飲できる
『利き酒ミュージアム 唎き酒番所』である。


コインを買って、好きなお酒をお猪口一杯分飲むことができる。
お酒のアテの塩も置いてあり、気持ちよく飲み比べられるよう準備されている。


お酒が苦手な私は見学程度に素通りしただけだが、
店内でこのコーナーが一番賑わっており、スタッフも熱心に解説をしていた。

味を確認しながら選んで買うって、とても楽しい。
美味しいとか甘いとか辛いとか、根拠を持って買うと、帰ってから飲んだり食べたりするのがより楽しくなると思う。
人にあげる時も感想やうんちくを添えたくなるし、貰った方も嬉しさがアップすると思う。

酒器コーナーも充実

ぽんしゅ館の凄い所は、味を確認しながら選べる楽しさを沢山用意してる事だ。
酒に留まらず、味噌・醤油も味見が出来る。

匂い・色・味の比較ができる
動画から切り取ったので画質悪い
なぜ醤油を厳選しないの?と新しい価値観を提案

私は醤油は日常的に使うし、塩分が多いとか味に違いがある事は知っているものの
比較した事は無いし、違いを形容する事が出来ない。
(刺身用醤油として売られている物を買って使って、あー確かに、と思う程度である。)
そんな醤油素人でもぽんしゅ館で並んでいる醤油を味見すると、味の違いがある事がわかり
比較していくと、好き嫌いとかどの料理に合いそうとかわかってくるから面白い。
味見をした結果、当然のように気に入った醤油を購入した。

味噌コーナー。ご遠慮せずに、という案内文が優しい。
ぽんしゅ館の楽しく買い物をさせる工夫は試飲だけではない。
数多ある商品の比較や解説がわかりやすく紹介されていた。

例えば、旅先でついつい買ってしまうレトルトカレー。
お土産屋で働いていた時、若者旅行者のお土産カゴで見かける事が多かった。
自分用に買ったり、1人暮らしの友人や恋人に買っていくのだろう。
私も独身の時は良く貰っていたし、自分も買っていたからその便利さ、わかる。

レトルトカレーコーナーを作るお店は時々見掛けるが、
ぽんしゅ館ではただ並べるだけでは無い工夫がされていた。

ご当地レトルトカレー一覧。種類の多さにも驚き。

ご当地と言ってもレトルトカレーだし、胸の内では過度な期待はしておらず
パッケージやネーミングだけで選ぶ事が多いのだが、
こうやって並べられると見た目を比較したりして、楽しくなってつい買ってしまう。

日本酒コーナーの近くにあるおつまみコーナーにも同じような看板が。

おつまみコーナーには缶つまの一覧も。
缶つまは新潟の特産では無いはずなのでメーカーが製作したものだと思うが
よく知る缶つまだってこうして中身を並べて見せられると、
同行者とあれこれ好みを言い合った後に買ってしまうだろう。

ここまでの工夫ポイントでも十分好奇心が掻き立てられるのだが、
ぽんしゅ館は小さい所も工夫されていた。
商品ごとのポップが商品愛に溢れている。

例えば日本酒。『唎き酒番所』を出ると壁一面にエリアごとに分けられて並んでいて、
飲み口やアルコール度数、商品の特徴がポップに熱く書かれている。
スタッフとの会話が苦手な人もいるし、自分は飲めないけど「辛口買ってきて」と
お土産をリクエストされる場合もあるので、文字の説明も嬉しい。

夫の地元である上越のコーナー。文章量がすごい。
商品ごとの紹介だけでなく、どこで作られたとか、どんな想いを込めたとか
その時私が手に取るまでのストーリーも伝わってくる。
生まれや育ちがわかると親近感を抱くのは人間でも物でも一緒で、
私のような感動屋はこの手のストーリーに弱い。つい買いたくなってしまう。

新潟は広い。エリアごとに食の得意も異なる。
複数のワイナリーのワインを一緒に紹介。
これを作るのも容易ではないだろう。

更に、店内全体のポップの文字、陳列台、内装が統一されている事で、
買いたいテンションを下げずに見て回りたくなるよう空間も演出されていた。
多種多様なメーカーの商品を並べるお土産屋で、
統一感のある空間を作る事は色々なハードルがあってなかなか難しい。
ぽんしゅ館の成り立ちは詳しく調べていないけど、
スタッフの熱意や生産者の理解や協力でハードルを乗り越えて
やりきっている事で、訪れた人の購買意欲を掻き立てていると感じた。

コシヒカリ3合分。パッケージも並べ方も可愛い。
新潟土産の定番の柿ピー。
お店にマッチして並んでる

私は結局、新幹線が出発する時間のギリギリまでぽんしゅ館にいた。
つい買いたくなる工夫だらけの空間の中でどうにか自分を制して
スーツケースの余白に収められる分のお土産を買った。
私の物欲の根源である母と一緒に来ていたら、大変な量になっていただろう。

新潟駅から外に出ないで行ける通路はあるものの、
初めて訪れた者には気付きにくい場所にある事が勿体ない。
特に私が訪れた時は駅の工事をしていて、ぽんしゅ館までの道案内が見付けにくかった。

私は新潟駅を訪れる旅行者には全員、ぽんしゅ館をお勧めしたい。
もちろん駅構内にもお土産屋は沢山あるが、楽しく買える度が全く違う。
自分用でも配る用でも、買って帰るなら楽しく買えた物の方がいいと思う。
貰う方だって、うんちくや買った理由が一言添えられてたらより嬉しくなると思うから。

新潟のお米で作った爆弾おにぎり。食べたかったけど胃袋に余裕無く断念。

新潟駅直結(※ただしちょっと歩く)

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